木のはなし

夏切り丸太

植物が、光合成をして成長する季節です。
この季節の木は、地下から水を吸い上げているため
伐採した原木をそのまま保存するのが困難です。
最高気温が、30℃を超える季節では伐採後10日も経過すると

 

写真のように辺部(シラタ)と呼ばれる樹皮の内側の白い部分が、変色してきます。

さらに真夏日で日にちが経過すると、乾いて干割れが発生します。

 

 

劣化した桧丸太から製材して製品にすると、次の写真のように

 

 

辺部(シラタ)の色が悪いのが分かります。
この丸太から製品を作るときは
変色部分と干割れ部分が取れるまで深く帯鋸を入れます。
歩留りが悪くなるばかりではなく製材時間もかかります。

 

一日の最高気温が20℃以下に気温が下がると
木は水を降ろし、日差しも弱くなり、丸太の劣化が遅くなります。
11月から3月までは、雪解け水を吸わないかぎり原木の劣化は進みません。
良質な原木は、この時期に切ることが多いですね。

 

 

原木は、天候気温を考えて仕入れを行います。
自社で製材できる量を考えず原木仕入れをしてしまうと、
次の写真のように山の恵みを腐らせてしまいます。

 

 

なのでこの時節の製材業は、
手持ちの原木在庫を減らし必要な分だけ購入し、
原木を購入したら早く製材して桟積みをして乾燥します。

 

 

風雪に耐えて成長した木材は、工業品ではなく生き物です。
四季の移り変わりで製品の出来具合も考える必要があります。
しかし伐り旬以外の時期に伐採した木材も、
木材を扱う私たち製材者の取り扱いによって、良い製品となります。
良い木材をみなさまにお届けできるよう
先人の教えを受け継ぎながら日々精進してまいります。

挽(ひき)曲り

製材とは建材の柱や板を同じ幅にて真っ直ぐに切り出す作業です。
なので、原木自体が曲がっていないものを選ぶ目利きはもちろん、
製材でも曲がりを修正する技術が必要です。 

 

丸太から帯鋸で製材する際必ず曲ります。
長いものほど曲りはでます。
今回は、挽(ひき)曲りについてご紹介いたします。
はじめに、原木を製材機に乗せます。

 

この時点では、真っ直ぐです。

 

帯鋸で丸太の一面を製材します。
製材機の動きは直線ですが、丸太をカットした辺部と芯部は反発し合うように曲ります。

 

 

今回は、回し挽をしますので次の面をカットします。

 

 

この面でも辺部と芯部が反発するように曲ります。

 

 

柱のカタチになりましたが、挽曲りがあります。
直線にするために修正挽をします。

 

 

4面を修正挽をして正方形で真っ直ぐな柱にします。

 

製材の挽曲りは、木の質ではなく応力が解放されるために起きる現象です。
丸太の外から薄く挽いていくと曲りは軽微ですが、厚く深く帯鋸を入れると大きく曲がります。

 

30年以上前、桧柱は未乾燥で流通していました。
修正挽した柱には、「8面スリ」とか「修正挽」と表示してありました。
乾燥材が主流の現在は、挽曲りのまま人工乾燥してから修正挽する場合もあります。

 

製材とは材としての木の命を適材適所に生かす仕事だと思っています。
丸太を挽く際には、曲がりや節の具合をよく見極めて、
どのように挽けば材として強く、美しく仕上がるのかを考えます。

 

私たちの製材した木が、様々に形を変えて
みなさまの暮らしに寄り添い生かされていくことを願っています。

天然木と植林木の見分け方

桧天然木(てんねんぼく)は、芯部の年輪が細かく徐々に成長しています。

 

若木の頃は、成長が遅く年輪が細かく数えられないくらいです。
桧植林木(しょくりんぼく)は、人が苗木を植えたものです。

 

 

芯部の年輪は、数えられます。
毎年、均等に成長しています。

 

桧植林木は、枝打ちなどの手入れが無いと節の多い木になります。
桧天然木は、幅広い、節の無い板をとる場合に向いています。
丸太の腹の芯近くまで帯鋸を入れても、節が少ない特性があります。

 

挽きものにより桧原木を見分けないと歩留り良く製品をつくれません。
木の特性を熟知することが、これからの良い木製品づくりに役立ちます。
引き続き勉強をしていきたいと思います。

成熟材と未成熟材?

成熟材と未成熟材とは聞きなれない文言ですね。

未成熟材とは

赤い印、芯からおおよそ20年生前後が「未成熟材」でその外側は「成熟材」です。

未成熟材ばかりの樹齢の若い木は、

り曲げても弾力があり折れません。

成長して25年以上年輪(赤い部分の外側)を重ねていくと成熟材となり
鞭のような柔らかさは無くなり、台風など暴風のため幹が折れてしまいます。

以下の写真のようなシナイと言われる欠点になります。

また、芯部近くの未成熟材ばかりで製材製品を作った場合
いくら狂わないように乾燥しても以下の写真のように

Sの字に曲がってしまい製品となりません。

狂わない製品にするには、未成熟の年輪を
成熟した年輪で覆うようにして製材する工夫が必要です。

長年の経験で、芯部のみで木製品にすると狂うことは解っていましたが、

森林文化アカデミー元教授の富田様に教えていただき、

今回のように理解をすることができました。
これからも良い木製品づくりのために創意工夫をし、勉強を続けていきたいと思います。

芯のある木は強い?

私が、就職したころ先輩社員から「芯のある木は強い」と教わりました。
その頃は、数値化されたものもなく経験にもとづく知恵だったのでしょう。

さて、芯のある木、芯の無い木どちらが強いのでしょう?

木の強さは、1硬さ(剛性) 2強さ(強度) 3ねばり強さ 4耐久性
の以上4つに分けられます。
今回は、4の耐久性は、別として考えます。
曲げ強度について考えます。

 

芯持ち材(芯がついている材料)

 

芯去り材(芯の無い材料)

加重して曲げ強度を測定してみました。

森林研究所にて桧の角材を横向きにしてプレスで折れるまで加重をしました。

芯去り材ですと節が長くなるので節から裂けてしまいます。

ただし、4つの材面、ぐるりと節の無い材料なら

かなり強度はあるでしょうが、
高額のためもったいなくて試験はしませんでした。

芯去り材をつくるためには、
芯持ち材をつくる2.5倍以上の径級の原木太さが必要ですので価格も上がってしまいます。

芯持ち材ですと、節が丸く、材面に対して節の面積が少ないため
曲り強度試験で裂けることなくかなりの加重に耐えられます。

節のある物について、曲げ強度だけを考えると、
芯持ち材のほうが曲げには強い数字が出ます。

以上のことから、横からの加重については、
芯が有るか無いかより、
材面の巾に対してどれだけ節の面積があるかで決まるようです。

元と末

原木を取り引きする際

木の根を「元(もと)」と呼び、上の方を「末(すえ)」とか「裏(うら)」と言います。

根のついた原木は【元木(もとき)】と伝票に表示されます。
元木の上の原木を【2番玉とか裏木(うらき)】と呼びますが伝票には何も記載されません。

欠点が無い場合元木の方が高値で取引されます。

さて、製品になってから元方向と末方向ををどのように見分けるか?

新人さんに説明するのがなかなか大変です。わかりやすい方法は、節を見ることです。

節の芯は、節の中心にあることはまずありません。どちらかに寄っています。

上の写真は、上に芯が寄っています。上が末です。

節の無い製品の場合は、杢目(もくめ)がタケノコのように
上へ上へと向かっている方向が末です。

解りにくいですが、1枚だけ反対方向に貼ると違和感を感じます。

他に、元は赤身が多く末はシラタが多いという判断基準があります。

新人さんに一日もはやく元と末を見分けられるようになっていただきたいものです。

表と裏

 

新入社員のA君に新入社員研修で「木表(きおもて)と木裏(きうら)」について説明をしました。

 

芯に近い方が木裏で、表面側が木表と説明したところは、理解してもらえました。
半製品を見ても木口(こぐち)をみれば年輪で判ります。

 

 

しかし、材面を見て木表と木裏の見分けができませんでした。
私は、長年「桧」に触れているので当たり前と思っていました。
ところがその当たり前のことが理論的に説明できません。

頭を整理して少し言葉にしました。

1、木表側は、木裏に比べて赤身が少ない。
2、木表は、木裏に比べ仕上がりが美しい
3、同一材では木表に比べ木裏には、節が多い。

 


 

しかし、理屈ではなくパッとみて判断できないと加工作業に時間がかかってしまいます。
新人のA君は、かなり困惑した表情でしたが、理屈ではなく木表木裏の見分けが出来るようになるには毎日、繰り返し、繰り返し触って見て身に付けるしかありません。

一般的に、化粧面、フローリングには木表を使います。
木裏は、日本舞踊や、能の舞台で使用されています。その理由は、板の中心が膨らむ為、足の裏が板の端にひっかからず、滑りも良い為といわれています。

今踏んでいるフローリングは木表でしょうか?是非一度ご確認ください。

楢枯れ

本日8月10日は、八と十を組み合わせると「木」という文字になる、ということから

「木の日」と題しまして、県下でも木を主体とした様々なイベントがありました。

こんな日には、いつも何気なく見ている森林の風景にも、ふと目を留めていただければと思います。

松枯れの猛威の後、楢枯れが深刻になりました。平成15年くらいには北陸中心に楢枯れがはじまり平成25年には九州から青森まで拡大したようです。

5~6年前は、岐阜県飛騨地方の被害がありましたが、この2~3年は近畿地方の山に楢枯れが多く見えます。

8月1日に中国自動車道の近くの楢枯れの風景です。

車窓からでも山のところどころに赤く枯れた葉が見えます。

原因は、カシノナガキクイムシ(カシナガ)が媒介する糸状菌(通称「ナラ菌」)により
ナラの細胞が死に、それにより道管が目詰まりをおこすため通水障害となり、
7月下旬から8月にかけて枯れてしまいます。

次の年は、赤茶色の枯葉は落ちてしまうので山を眺めても楢枯れは分からなくなります。

伐採業者に聞くと、かつて炭焼き窯のあった周辺は楢枯れ被害は無いそうですので、
ナラが絶滅することはいでしょうが、今後大径で高齢級のナラは希少木となるでしょう。

この10年でなぜこのように急激に楢枯れが増えたか解りませんが、
どんぐりが無くなり絶滅危惧種のツキノワグマが人里まで餌を求めておりてくるのは、
楢枯れの影響かもしれません。
日本の山の生態系を守り、共棲できると良いですね。

ナラ枯れ

トーホーから東に約10kmに標高1,200mの二ッ森山があります。
その山頂の下に岐阜県天然記念物の薬研洞(やけんぼら)の大楢(オオナラ)があります。

昭和42年6月に天然記念物に指定されています。
乗用車では行けないデコボコの林道の行き止まりから徒歩で急斜面を20分以上登ると、
突然、苔むした太い幹に枯れ枝の大木が現れます。

根元の幹周囲12m、樹高25m、枝張り8mの大きさです。
推定樹齢は、650年だそうです。

天然記念物の立て看板は経年劣化で割れています。

この春から、青葉がでること無く枯れてしまいました。
数年前に樹木医さんに治療してもらいましたが、助かりませんでした。

幹には、虫アナがたくさん空いています。
木の寿命を全うしたのか、全国で猛威をふるうナラ枯れが原因かはわかりません。
後日、診断がでることでしょう。

木材加工を生業としている私は、
この大楢を製品にすることで次の役割が出来ると思いますが、
“天然記念物”が外れないと伐採はできないそうです。

近くには、小さいミズナラが生えています。この大木の実生(みしょう)かもしれません。
老木が朽ちてもまた、新しい生命が芽吹いています。
次回来月は、全国で深刻な被害の出ているナラ枯れについて詳しくお伝えします。

木育(もくいく)

「木育」は、2004年に北海道庁でうまれた言葉です。その後各地に広まっていきました。

「木育」は、幼児期から木材とのかかわりを深め、豊かな暮らしづくり、社会づくり、そして森づくりに貢献する活動です。

5月29日に大同大学様、テイコク様、地元白川町の産学官連携事業で白川町産の資源「東濃桧」を活用した新商品の記者会見が行われました。製造会社は、翠豊さん、飛騨産業さん、そして弊社トーホーです。

 

 

トーホーでは、

桧の積み木<つみマスくみマス>
名前の通り、積んだり、組んだりしながら木と触れ合うことができる木育の積木です。
天然の桧で作られていますから、箱から出した瞬間から桧の香りが広がり、肌触りも滑らかです。

6月9日~10日、岐阜県メモリアルセンターにて開催された「ぎふの木フェスタ」に出展したところ、お子さん達が、いろんな遊びを考えてくれました。

ピラミッドでしょうか?

ドミノ倒しですね。

お子さんの豊かな想像力をさらにかき立てる様子に弊社も嬉しく思いました。

24個入りで3,700円(税別)です。
色付きは、1個120円(税別)増額になります。
遊んでみると面白いですよ!

ぎふの木フェスタの様子はブログでもご紹介しております!

ぎふの木フェスタ

ぎふの木フェスタ2018