2019年10月アーカイブ

夏切り丸太

2019年10月24日

植物が、光合成をして成長する季節です。
この季節の木は、地下から水を吸い上げているため
伐採した原木をそのまま保存するのが困難です。
最高気温が、30℃を超える季節では伐採後10日も経過すると

 

写真のように辺部(シラタ)と呼ばれる樹皮の内側の白い部分が、変色してきます。

さらに真夏日で日にちが経過すると、乾いて干割れが発生します。

 

 

劣化した桧丸太から製材して製品にすると、次の写真のように

 

 

辺部(シラタ)の色が悪いのが分かります。
この丸太から製品を作るときは
変色部分と干割れ部分が取れるまで深く帯鋸を入れます。
歩留りが悪くなるばかりではなく製材時間もかかります。

 

一日の最高気温が20℃以下に気温が下がると
木は水を降ろし、日差しも弱くなり、丸太の劣化が遅くなります。
11月から3月までは、雪解け水を吸わないかぎり原木の劣化は進みません。
良質な原木は、この時期に切ることが多いですね。

 

 

原木は、天候気温を考えて仕入れを行います。
自社で製材できる量を考えず原木仕入れをしてしまうと、
次の写真のように山の恵みを腐らせてしまいます。

 

 

なのでこの時節の製材業は、
手持ちの原木在庫を減らし必要な分だけ購入し、
原木を購入したら早く製材して桟積みをして乾燥します。

 

 

風雪に耐えて成長した木材は、工業品ではなく生き物です。
四季の移り変わりで製品の出来具合も考える必要があります。
しかし伐り旬以外の時期に伐採した木材も、
木材を扱う私たち製材者の取り扱いによって、良い製品となります。
良い木材をみなさまにお届けできるよう
先人の教えを受け継ぎながら日々精進してまいります。

挽(ひき)曲り

製材とは建材の柱や板を同じ幅にて真っ直ぐに切り出す作業です。
なので、原木自体が曲がっていないものを選ぶ目利きはもちろん、
製材でも曲がりを修正する技術が必要です。 

 

丸太から帯鋸で製材する際必ず曲ります。
長いものほど曲りはでます。
今回は、挽(ひき)曲りについてご紹介いたします。
はじめに、原木を製材機に乗せます。

 

この時点では、真っ直ぐです。

 

帯鋸で丸太の一面を製材します。
製材機の動きは直線ですが、丸太をカットした辺部と芯部は反発し合うように曲ります。

 

 

今回は、回し挽をしますので次の面をカットします。

 

 

この面でも辺部と芯部が反発するように曲ります。

 

 

柱のカタチになりましたが、挽曲りがあります。
直線にするために修正挽をします。

 

 

4面を修正挽をして正方形で真っ直ぐな柱にします。

 

製材の挽曲りは、木の質ではなく応力が解放されるために起きる現象です。
丸太の外から薄く挽いていくと曲りは軽微ですが、厚く深く帯鋸を入れると大きく曲がります。

 

30年以上前、桧柱は未乾燥で流通していました。
修正挽した柱には、「8面スリ」とか「修正挽」と表示してありました。
乾燥材が主流の現在は、挽曲りのまま人工乾燥してから修正挽する場合もあります。

 

製材とは材としての木の命を適材適所に生かす仕事だと思っています。
丸太を挽く際には、曲がりや節の具合をよく見極めて、
どのように挽けば材として強く、美しく仕上がるのかを考えます。

 

私たちの製材した木が、様々に形を変えて
みなさまの暮らしに寄り添い生かされていくことを願っています。

天然木と植林木の見分け方

桧天然木(てんねんぼく)は、芯部の年輪が細かく徐々に成長しています。

 

若木の頃は、成長が遅く年輪が細かく数えられないくらいです。
桧植林木(しょくりんぼく)は、人が苗木を植えたものです。

 

 

芯部の年輪は、数えられます。
毎年、均等に成長しています。

 

桧植林木は、枝打ちなどの手入れが無いと節の多い木になります。
桧天然木は、幅広い、節の無い板をとる場合に向いています。
丸太の腹の芯近くまで帯鋸を入れても、節が少ない特性があります。

 

挽きものにより桧原木を見分けないと歩留り良く製品をつくれません。
木の特性を熟知することが、これからの良い木製品づくりに役立ちます。
引き続き勉強をしていきたいと思います。

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